第5回「事理一致」運動 研究会
〜 理にかなった運動の探求 〜

  • 日時:2017年3月24日(金)14時 〜 26日(日)15時

  • 場所:山形大学地域教育文化学部 3号館332教室

  • 世話人:竹田隆一(代表、山形大)、坂井伸之(山口大)
        柴田一浩(流通経済大)、牧琢弥(日本女子体育大)
本研究会参加者は、発表内容について秘密を保持する義務を負います。
研究会の趣旨

 剣道では、大きく振りかぶって打つ「基本打ち」の練習を、初級者から上級者まで繰り返し行う。しかし、実践の面打ちを観察すると、振りかぶりがなく、両手首の軌跡は前方に向かって直線的で、基本打ちとは全く異なる。では、なぜ基本打ちの練習を繰り返すのだろうか?
 このように、従来から当たり前だと思われてきたことでも、「なぜ?」と問いかけると誰も答えられないことが、武道・スポーツには非常に多い。
 これまでのスポーツ科学では、殆どの論文が実験レポート形式になっているように、「科学研究=実験研究」という考え方が根強かった。理論研究論文を学会誌に投稿しても、「実験データに基づいていない」という理由で掲載却下されることがあった。しかし、実験から得られることには限界がある。法則とモデルに基づく理論研究を進めなければ、これまでの自然科学がそうであったように、現象の背後にある普遍的な原理は絶対に解明することができない。
 そこで我々は、物理学研究者と体育系研究者が協力して、「物理学とモデル化に基づく理論研究」と「運動感覚・実験・実践指導に基づく研究」 を相互にフィードバックして進めるという、新しい研究方法を打ち出している。その相互交流の場が本研究会である。

【第5回研究会の話題】
 最近の理論的な進展は、「多段階ブレーキ効果」と「足の支点移動モデル」の発見である。一方、実戦的研究としては面打ちの「形態分類」が進んでいる。また、体を適切に動かすための「意識・感覚」や「指導言語」の問題にも取り組み始めている。
 一方、剣道の研究から他の競技にも共通する動作のしくみを発見し、別の競技にも研究が広がっている。今回、柔道はじめ他の競技に関する議論も加わる。
プログラム(仮)
  • 24日14:00〜17:30
    • 坂井伸之(山口大):これまでの研究経過と今後の展望
              特に最近の進展として「足の支点移動モデル」「広義の肩関節の考察」他
    • 竹田隆一(山形大):「剣道における「面打ち運動」の形態分類について
               ー力学的視点からの分析を中心にー
    • 柴田一浩(流経大):中学校武道必修化に対応した剣道の教材開発と指導実践(仮)
  • 25日9:30〜12:30
    • 久慈晃太(山形大):剣道の面打ちにおける下肢・上肢の対応について
    • 山口 傑(山形大):剣道における面打ち運動の下肢の運動形態について
    • 一色亮治(山形大):剣道における打突後の運動形態について
  • 25日13:30〜17:30
    • 藤田裕太郎(山形大):近代剣道指導書における「面打突動作」に関する技術指導言語の分析
    • 井上あみ(山形大):運動体感能力に関する一考察 ー「面打突動作」の聞き取りからー
    • 牧琢弥(日女体大):柔道技に対する物理学的アプローチ(仮)
    • 久保田伸次(山口大):剛体モデルによる柔道技の理論的解釈
  • 26日10:00〜
    • 自由討論、今後の研究打合せ
参加申込

参加は自由ですが、準備の都合上、できるだけ事前にメールでお知らせ下さい。
  • 記入事項: ご氏名・所属・専門分野・発表希望の有無

  • 連絡先 : 竹田隆一 メール
本研究会の実績
  • 本研究会による主な研究成果(論文)
    • 坂井伸之・竹田隆一:武道・スポーツにおける科学的方法に対する誤解と理論研究の重要性、武道学研究 48(1), 35-41, 2015
    • 坂井伸之・牧琢弥・竹田隆一:武道・スポーツの基礎となる棒の力学:特に慣性力の重要性、武道学研究 49(1), 1-14, 2016
    • 竹田隆一・坂井伸之:剣道における「面打ち」運動の力学的研究、剣道ゼミナール(全国教育系大学剣道連盟)18, 25-36 (2016)

  • 過去の研究会

2017-1-30 更新