第5回「事理一致」運動 研究会
〜 理にかなった運動の探求 〜
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剣道では、大きく振りかぶって打つ「基本打ち」の練習を、初級者から上級者まで繰り返し行う。しかし、実践の面打ちを観察すると、振りかぶりがなく、両手首の軌跡は前方に向かって直線的で、基本打ちとは全く異なる。では、なぜ基本打ちの練習を繰り返すのだろうか? このように、従来から当たり前だと思われてきたことでも、「なぜ?」と問いかけると誰も答えられないことが、武道・スポーツには非常に多い。 これまでのスポーツ科学では、殆どの論文が実験レポート形式になっているように、「科学研究=実験研究」という考え方が根強かった。理論研究論文を学会誌に投稿しても、「実験データに基づいていない」という理由で掲載却下されることがあった。しかし、実験から得られることには限界がある。法則とモデルに基づく理論研究を進めなければ、これまでの自然科学がそうであったように、現象の背後にある普遍的な原理は絶対に解明することができない。 そこで我々は、物理学研究者と体育系研究者が協力して、「物理学とモデル化に基づく理論研究」と「運動感覚・実験・実践指導に基づく研究」 を相互にフィードバックして進めるという、新しい研究方法を打ち出している。その相互交流の場が本研究会である。 【第5回研究会の話題】 最近の理論的な進展は、「多段階ブレーキ効果」と「足の支点移動モデル」の発見である。一方、実戦的研究としては面打ちの「形態分類」が進んでいる。また、体を適切に動かすための「意識・感覚」や「指導言語」の問題にも取り組み始めている。 一方、剣道の研究から他の競技にも共通する動作のしくみを発見し、別の競技にも研究が広がっている。今回、柔道はじめ他の競技に関する議論も加わる。 |
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参加は自由ですが、準備の都合上、できるだけ事前にメールでお知らせ下さい。
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2017-1-30 更新