第3回「事理一致」運動 研究会
~ 理にかなった運動の探求 ~
2016年3月24~26日@山形大
「タメ」とは何か? 「力を抜け」とはどのタイミングでどの部分の力を抜くのか? 武道・スポーツの指導において使われる言葉の大部分は抽象的・感覚的であり、真の意味や科学的根拠が明確でない。感覚的な言葉によって上達する人がいる反面、努力してもその感覚がつか めない人は少なくない。これまでの体育教育やスポーツ政策では才能ある人の技術を更に伸ばすことに重点が置かれ、英語・数学等主要教科の教育とは 対照的に、「誰もが最低限の技術を習得する」取り組みが二の次になってきた。 「誰もが最低限の技術を習得する」方法論が育たない主な理由は、スポーツ動作を対象とするスポーツバイオメカニクスが実験研究に特化され、自然科学本来の「複雑な現象をモデル化し基本法則から演繹的に結論を導く」という理論研究がが軽視されてきたことにあると思われる。法則とモデルに基づく理論研究がなければ、これまでの自然科学がそうであったように、現象の背後にある普遍的な原理は絶対に解明することができない。 「理論は実験で検証されなければ意味がない」とよく言われる。自然科学では確かにそうだ。しかし、スポーツ科学の目的は実験に成功することではなく、「実践に役立つ情報を得ること」である。したがって、理論を実験で検証しても目的が達成されたとは言えず、逆に、理論を実験で検証しなくても実践や指導に役立つ事が確認できればそれで十分である。 そこで我々は、武道・スポーツの専門家と物理学の専門家が協力して、「物理学的モデル研究」と「熟練者の運動感覚・実践映像の定性的分析」に基づく研究によって、理にかなった運動を解明し、科学的根拠の明確な指導法を構築することを目指している。 これまでの2回の研究会では、物理学と実践の観点から剣道を研究対象としてきた。今回はそれに加え、川口幾太郎氏(東北芸工大教授)をお招きし、スポーツ運動学の観点から、体操競技を含む様々な運動に対象を拡張して議論する。 |
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参加は自由ですが、準備の都合上、できるだけ事前にメールでお知らせ下さい。
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2015-12-27 更新